第5回「元彼女」

2010.05.27(THU) UP

ボクの元彼女は、変わった人が多いです。
そういう人と付き合うのは、それはそれで、ものすごくおもしろかったです。

たとえば「一升瓶の彼女」です。
家に帰ったらいるはずの彼女がおらず、代わりに部屋の真ん中にダンボールがあったのでなんだろうと思って近づくと中から一升瓶を持った彼女が飛び出してきました。そして驚くボクを見てワハハと豪快に笑うのです。
その彼女はやたらと一升瓶を持っていました。
「京都大学の生協の前で動けなくなったので迎えに来い」と電話があったものですから、そこにいくと案の定一升瓶を持っています。夜中の1時とか2時くらいだったでしょうか。何がどうなって「京大の生協」にいるのかはもうその時点でどうでもいいのですが、そんな夜更けに若い女性が独りでぶっ倒れていることが一大事です。しかも、近づくとシャツとブラジャーがはだけてオッパイが丸出しになっているのですから、もうこれはとんでもない目にあったのだと思いパニックになりそうでした。でも、彼女はむくりとおきあがり「よう来たな、オーケィ!ロックンロール!」と一升瓶を空高く持ち上げて超ハイテンションです。恋人として即座にこれは陽気な酔っ払いがワイセツ状態なだけだなと判断し、ため息をひとつつき、服を直して介抱します。一応、なぜにオッパイ丸出しなのかと聞くと「邪魔くさかったから」という返事が返ってきます。
彼女をおぶってタクシーが来そうなところまで歩いていたのですが、グビグビと音を立てて背中で吐かれたり、それをみてワハハと笑ったりする彼女がとても面倒で愉快だなと思ったものです。

「ぐうたらな彼女」もすごかったです。
どうしたらそこまで眠れるのかと思うくらいよく寝る女性です。朝の5時くらいに寝て夕方の5時に起きるみたいなサイクルです。
さらに、この女性の睡眠欲は子供のようです。食べながら寝てしまうのですから。
その時も、きっと寝る前に「たけのこの里」を食べていたのでしょう。ボクがライブから帰ってくると首と肩の間から溶けた「たけのこの里」が2つくらい挟まったままの状態で眠っていました。
とにかく布団で雑誌や漫画を読みながらお菓子をボリボリ食べるのが好きだったので、となりで寝ると普段のベッドではありえないザラつきを楽しむことができました。掃除機をかけるとマラカスを振ったような音を立ててお菓子のカスが吸い込まれていきます。おかげでボクは、マメに部屋の掃除をするという良い習慣を獲得することができました。

一発芸の女性もおもしろいです。
この女性はボクにやたらと一発芸をやらしたがりました。
そしてボクも彼女のために普段ステージではできないような程度の低い超あらびき芸を獲得することができました。
彼女が一番喜んだのは裸踊りです。西武でビキニパンティーを買ってきましてハット帽とネクタイ以外は裸の状態で踊るのです。すると彼女はキャーキャー声をあげて喜ぶのでボクも調子にのります。はたから見たらとんでもない状態ですが、二人きりであることと彼女が喜ぶということで特には気にしません。
そして裸踊りは、いつしかビキニパンティーにお札がおひねりされるようになり、そうしたいがために彼女は借りなくてもいいお金をボクから借りるようになりました。昼に5千円を借り、夜に裸踊りをするボクのビキニパンティーに千円札5枚をねじ込む。5枚ねじ込まれないと終われないので彼女が満足するまでボクは踊ります。
「お尻割り箸」も地味に笑えます。お尻で割り箸を割るあれです。クイっと力を入れて割り箸が割れると彼女は手を叩いて喜びます。割れないとこれはこれで地味な笑いが巻き起こります。そのうちスプーンも柔らかめなものなら曲げられるようになり、ある意味ボクは「スプーン曲げのできる男」になりました。すごい尻筋です。
服を10枚くらい着重ねて太ってみたこともあるのですが、これは気に入らなかったようで「あっ」と声をあげたあと何も言ってくれないので結局1枚1枚脱いで行ってあらかじめ仕込んであった裸踊りスタイルになって喜んでもらうしかありませんでした。
この場合、彼女がおもしろいというよりもボクなのだとは思いますが、ボクの一発芸に対する貪欲さはすごかったです。「新作を出さないと嫌われるのではないか」と思ってしまうくらいでしたから、同じような意味で「お金を出さないと嫌われてしまうのではないか」と思いお金を巻き上げられ続けるダメンズウォーカーの女性の気持ちがほんの少しボクにもわかります。

他にもいろんな女性とお付き合いさせてもらいましたが、こうして客観的に自分をみるとどうもお人よしなところがあるように思えますが、気にしません。マゾヒストなのかと言われてもしかたないですが、はっきり違うと断言したいです。
おもしろければ良いのです。
エンターティナーであるべきミュージシャンですから、「身近な人から喜んでもらいたい」という一言につきます。
身近な人へのエンターテインメントは個人的に3つのルールがあります。

まずは、当たり前ですが、相手を全力で好きでいること。
2つ目は、思いつく限り喜んでくれそうなことをする。もてなす。
3つ目は、怒らず受け入れる。

です。
特に3つ目の「怒らず受け入れる」が一番肝心な気がします。
あとは相性なのでしょうが、そこが食い違うと、はい、けっきょく別れてしまうのですが…。

いろんな変わった方とのお付き合いを経て、今ではすっかり「普通の女性」が好みになってきました。

それでは、ごきげんよう。

コメント / トラックバック8件

  1. カピバラ より:

    バラエティに富みすぎじゃないですか…!
    そんな素敵な彼女たちにお会いしてみたいです^^

    3つのルール、その通りだと思います
    特に3つ目が素敵ですね。

    個人的には徳田さんの
    「ごきげんよう」が好きです!

  2. 天狗ハム より:

    ライブの時と、ラジオの後とかの徳田さんしか知りませんが、PVとかのイメージが強いので、
    徳田さんはチャーミーグリーンみたいなお付き合いをされる方だと思ってたんです。

    しかし、実際はかなり突き抜けていらっしゃったんですね。
    意外って思う反面、似合う気もします。

    普通の女性で満足できるか心配ですねー(笑)

    普通の振りができる変な女はいかがですか?

    気が変わったら言ってください。飛んで行きます(笑)

  3. おれんじ♪ より:

    こりゃ~すごいですね(>o<)
    徳田さんは、ダイナミックな女の子がタイプなんですね。
    おもしろすぎて、フィクションかしらと思ってしまいました☆

    漫才の人とかは、家に帰ると案外暗かったりすると聞きますが
    徳田さんは、お家でもライブと同じテンションでエンターテイナーできる
    自然派エンターテイナーだったんですね♪♪♪
    そんな彼氏なら、私も欲しいです。ヨドガワナガハルとか巻上公一の
    ものまねリクエストしたいです。

  4. mimiko9 より:

    数々の彼女歴、楽し過ぎます(>_<)

    でも、『身近の人へのエンターテイメント3つのルール』は金沢でのライブでも感じられます。

    徳田さんが金沢を好きでいてくれて嬉しいなぁ〜(^^ゞ

  5. ありこ より:

    昨日の福岡での元彼女の話が気になりすぎて、読みました。
    元彼女さん達愉快な人ばかりですね!
    喜んでくれるためにしてるんだから、マゾヒストでもいいと思います。笑

    またアップ楽しみにしてます★

  6. えにこ より:

    今回のお話も面白かったです(笑)
    私は彼に会うたびに一発芸をします。面白くなかろうが気にせずします(苦笑)
    理由は彼が「お笑いが好きな関西人」だからです。
    恥ずかしながら裸踊りしたことがあります。
    裸踊りでふと思い出しました・・・

    何で裸踊りがあんなにうけるのか、いまだにやりながら不思議に思います。
    あ、お金をパンツにねじ込まれるなんてされたことがないので今度請求してみようと思います。

  7. ガショウ より:

    この間の福岡でのライブでもこのコラムの話をされていましたね。
    結婚の話になると、女性ファンの方達から「え~っ!?」と声があがっていましたけど(笑)

    ぼくは、結婚して、子供が出来た徳田さんが、どのような曲を作られるのかに凄く興味と期待があるんです。
    あのステキな感性がどのように変化し、感動を生み出すのか。考えるだけで、なんだか粟立ちますね。
    奥さんや子供さんを思って作られた曲を、いつか聴いてみたいなと思っています。

    あと、スムルースはビジュアルで売るバンドじゃないですよね?(笑)

  8. えみ より:

    そんな徳田さんの彼女に立候補♪させて〜いいなあ…徳田さんの彼女…

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