第3回「ロック桃太郎」

2010.03.26(FRI) UP

yomu003ロックバンド「ザ☆モモタロウズ」があったとします。
「では、メンバー紹介~させてもらいます。オンギター…、犬~」
この調子で残りのメンバー、猿とキジを紹介するロック桃太郎。このロックバンドの存在は、もはや常識の時空を超えてファンタジーになってしまっています。…いや、そもそも桃太郎はファンタジー“おとぎ話”ですから、そうでなければいけません。そして、現実にこのようなロックバンドが存在したなら、超話題になり、ロックをする犬、猿、キジ見たさにライブチケットは即完売、YouTubeでその映像も流れ、世界的に有名になってしまうことでしょう。今世紀最大の色物バンドの誕生です。“客寄せパンダ”としての犬、猿、キジの抜擢は大成功。桃太郎はこうして儲けた金銀財宝を自宅の大豪邸の地下にタンス貯金し、年金いらずの老後を過ごしたとさ。めでたし、めでたし。

…うーん。「“客寄せパンダ”としての犬、猿、キジ」というややこしい表現は我ながら気に入っていますが、ひとまず桃太郎はマッドヒーローと言って間違いないでしょう。
「さあ、鬼退治に出かけよう」そんな緊張感のあるときにこのメンバーを選びます?普通。
ボクはキジを選んだ感覚が特にナンセンスに思えてなりません。
まあ、まあ、おとぎ話に突っ込みをすること自体がナンセンスですから、こういうのはこの辺りにしたいと思いますが、今度はこのお話の隠喩部分に少し触れたいと思います。

もちろん「桃」です。
桃の原産国は中国。中国では桃は仙人の食べ物なんだそうです。詳しいことまでは調べつくせていませんが、言い伝えによると「桃源郷」という天国のような場所があるそうです。西洋でいうなら「エデンの園」みたいな場所でしょうか。日本でいうなら「アキハバラ」ですね。
そこは桃源郷というくらいですから桃の木がたくさんあります。そして、その天国のフルーツ「桃」のイメージが、そのまま仙人の食べ物というイメージになったようです。そういえばあの孫悟空も桃を食べて不老不死になったそうであります。そんなこんなで桃は「長寿」の意味が含まれているのだそうです。そんな桃から生まれた桃太郎、これは「神様の子供」に違いありません。天国のフルーツですから「魔よけ」としても重宝されるそうです。つまりこれは「鬼退治」になっていくわけでしょう。
それからもうひとつ。桃の実がなる木、その名も「桃の木」ですが、すごく実がなるそうです。そういうことから「子宝」の意味にも使われます。

さて、その「子宝」ですが、なんか固い言葉なのでもう「子だくさん」と言い換えてしまいましょう。こういう庶民的な言い方にすると物語がぐっと近くなって現実的になってきませんか?
そこでボクは思うのですが、桃太郎にはお父さんとお母さんが出てこないということに違和感を持ってしまいます。つまり、…ふむふむ、桃太郎のお話は、ずばり「高齢出産」のことではないでしょうか。おじいさんとおばあさんは、お父さんとお母さんでもあったのです。これはビッグニュース、夕刊のトップ記事です。
時代はわかりませんが、昔話ですからきっと平均寿命もぐっと若かったに違いありません。昔の女性は12~15歳くらいには結婚していますから、「おばあさん」の年齢はもしかしたら40歳くらいなのかもしれません。
おじいさんとおばあさんにはずっと子供ができなかったのです。でも、ずっと欲しかった。そんなある日おばあさんが川で洗濯をしていると朝ご飯をもどしてしまいます。山での柴刈りから帰ってきたおじいさんは心配でおばあさんをいたわるのですが、おばあさんは体からわき上がってくる命のエネルギーを感じてどこかわかっていました。そう、ご懐妊でございます。天にも昇るような気持ちでおじいさんとおばあさんは神様に何度も感謝したことでしょう。
そう考えると「桃太郎」という名前に込められた意味は「高齢出産」で生まれた「神様の子供」というダブルミーニング、掛け詞になっているとここで自信を持ってレポートさせてください。

ボクはもうこの辺だけをクローズアップして「桃太郎・エピソードゼロ~奇跡のご懐妊~」なんてタイトルで昔話をすればけっこう感動すると思っています。子供の性教育にもなりますしね。もはや21世紀は昭和初期のように戦争を正当化する時代ではありませんから、鬼退治なんてよく考えたらもうただの物騒な話です。もう、やめましょう、鬼退治。犬、猿、キジは兄弟のようにウチで飼うことにしましょう。思いきってタイトルを「渡る世間は鬼ばかり」に変えてもいいんじゃないでしょうか。退治していませんから、はびこってしまっているんです、鬼。「言わせてもらいますけどねぇ、鬼側から言えば桃太郎が鬼なんですからね」なんてセリフをかませて物語をどんどん推敲していきたいものです。
そして、甘やかされながらもすくすく元気に育った桃太郎は、屁タレになってしまう可能性はあります。いままでの反動で反戦モードも強まり、さらに「桃」の名のもとに裏付けられた勃起度の高さは健在なはずですから、「フリーセックス」なんて言い始めるかもしれません。「桃から生まれた桃太郎」などとわかりにくい表現で自己紹介などせずに「セックス大好き桃太郎」と叫んでしまえばいいと思っています。
よ!日本一!
こちら側にふり切れてしまうマッドヒーロー桃太郎もいいでしょ?

それではみなさん、今回も長文にお付き合いいただきありがとうございました。
ごきげんよう。

コメント / トラックバック6件

  1. カピバラ より:

    今回もレベルの高いお話ですね…
    桃食べたくなってきました!でも私は桃アレルギー!

  2. あさぴ-ち より:

    夜中に読んでムラム..ドキドキしました(*´Д`*)笑
    今度、おばあちヤんに桃を持って行こう!..特に深い意味はありません(・∀・)ノ

  3. おれんじ♪ より:

    今回も、徳田さんのお話、とてもおもしろかったです。
    小さい頃は素直に、そーかー、桃太郎は桃から生まれたんだー、とか
    かぐや姫は月へ帰ったんだー、とかそのまま受け入れていましたが、
    今考えるとほんと、奥が深いというか、不思議で変な話が多いですね(><)
    私は愛知県に住んでますが、私の町のとなりのとなりの犬山市という所に
    おじいさんとおばあさん…ではなくて、桃太郎神社という神社があるんですが
    ご存知ですか?
    かなりシュールなとこなのです~~~。
    ところで、名古屋のクアトロ、楽しみにしています(^^)v

  4. 客入りパンダロック より:

    確かにロック、パンクロック!
    原作でも本当はおじいさんとおばあさんの子供説がありますし。
    読みがいありました^^
    でも、これ子供に読ませたくないなあ(笑)

  5. こずえ より:

    最終的に桃太郎はイマドキのチャラ男って事なんですねΣ(゚ω゜ノ)ノ
    深い!深いよ!(笑)

  6. 客入りパンダロック より:

    こずえさんへ

    イマドキのチャラ男(笑)なるほどー^^

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