第21回「バルさんの脅威」

2012.02.09(THU) UP

yomu021どーもみなさん。
ボクは「ニオイ」に人より敏感です。かすかなニオイだと平気ですが、強烈になると思考力がゼロになってしまいます。
見たくないものはまぶたを閉じればいいです。聞きたくないものは耳をふさげばいいです。でも、においは防御ができません。鼻をつまめばいいと思っているアナタ!それは違います。鼻をつまめば今度はその異臭が口から体に入ってくるのです。そう考えただけで気分が悪くなります。かといって鼻も口も同時にふさぐわけにはいけません。
結論、人はニオイからは逃げられないのです。
今回は先日ボクが体験した世にも恐ろしい体験のレポートになります。
しょーもないと思われますので、必ず暇な人だけが読むようにしてください。
以下。

 

2月5日、京都でバンドのリハーサルをする。帰り、集中した練習のあとなので頭がぼんやりとする。こういうときは次から次へとどうでもいい考え事で頭がいっぱいになる。「柿の種は、柿の種じゃなくてもち米やん」とか「鮭って白身魚のくせになぜ赤い?」など、とめどなく頭の中で独りツイッターを続けてしまう。

烏丸線四条駅。売店で久しぶりに都こんぶを買う。
なぜ急に都こんぶなのか自分でもわからなかったが、人生の2割はわからないことでできているのだ。そして、残りの8割は、まったくわからないことでできている。そう、35年の人生でわかりうるものなどひとつもないのだ。
気にすまい。あがくまい。なにも考えまい。
そして今、こうしてボクは都こんぶをしゃぶりたい。
ところで売店で買う都こんぶは、良い。普段スーパーやコンビニではほとんどめだたないのに、売店の場合は、目につくところにあって、きれいに陳列されていてカワイイ。もし自分が都こんぶとして生まれてくるなら売店への出荷を望むであろう。
手に持った感じの都こんぶはなんというか、軽かった。軽い感じがまた良い。
ボクは、このままとても良い一日を終えられそうな予感にひとりでニヤついていた。

しかし、ここからが悪夢のはじまりになる。
風上から強烈な防虫剤のニオイがしてきたのだ。
これはアカン。
変なにおいのお香、ふりまき散らかした香水、衣類からしている強烈な防虫剤のニオイ。この3つがボクのニオイ3大天敵なのだが、その中でも防虫剤が一番アカン。

 

危険予測もかねて振り返ると奴がいた。奴とは、織田裕二や石黒賢のことではない。歩く殺虫剤オバハン、別名「バルさん」である。しかも今日のは、バルさんの中でも横綱級のが出現だ。どことなく『YAH YAH YAH』のメロディーが頭をかすめる。横綱バルさんは、まるで手を触れずに人をなぎ倒していく気功の達人のように、すれちがう人々をみな、次々に気絶させていく。…かのようなイメージでこちらにむかってくる。
『YAH YAH YAH』はサビの手前まできていた。「♪今からそいつを殴りに行こうか~」いや、できまい。迷惑なだけで、バルさんに悪気はないからだ。くそ、においさえなければかわいらしそうなオバハンという感じなのが逆に苛立つ。
経験から言うとバルさんが横綱級の場合、もう回避はできない。人々はその場でじっとこらえ、嵐が去るのを待つしかないのだ。
しかし、ボクがうずくまった場所が売店横というのがまずかった。バルさんがのんびり買い物を始める。
「『とこんぶ』くださる?」とバルさん。
うずくまりながら心の中で「ワシはバルさんと同じセンスかい、しかも、それは『ミヤコこんぶ』言うんじゃ」と突っ込みを入れながら耐えていると、バルさんは「『とこんぶ』じゃなくて『ミヤコこんぶ』でしたわ、オホホー」と言いだす。
何だ、この流れ。
よくわからないが、ここで運よく電車がやって来た。最後のちからを振りしぼりバルさんが乗ってきそうにない車両に駆け込む。プシャーっと音を立てて電車のドアがしまる。まるで悪臭も全部一緒に吐き出すかのように。
ああ、あぶなかった。もう少しあそこにいたら泡をふいて気絶していたにちがいない。阪急電車梅田行き特急よ、キミは命の恩人だ。
電車の中は、いつものように微妙な人間臭がごちゃまぜになり独特の電車車内のニオイを充満させていたが、それでもここは天国のように思えた。このぐらいのニオイはなんともない。さっきまでの状況を世界情勢的に表現するとキューバ危機くらいの緊張感と言えるだろう。もう、バルさんの脅威は去ったのだ。

…そして、帰り、地元の駅に着く。少々疲れているようだ。
しかし、電車を降りると隣の車両からバルさんが降りてくるのが見えた。
B級ホラー映画のエンディングかい!
駅が同じということは、また出くわすかもしれないということだ。気を付けなければ。

あれだけのニオイ、本人はなぜ平気でいられるのだろうか。別件だが、古い自転車に乗る人が坂道等でずっと鳴らし続けるブレーキの音、プールにあるビート板がキャアっていう音、インクの少ないマジックがキュッキュと立てる音、これもなぜ本人は平気なのだろう。世の中は不思議だ。
人生の2割はわからないことでできているのだ。そして、残りの8割は、まったくわからないことでできている。そう、35年の人生でわかりうるものなどひとつもないのだ。

 

さて、最後まで読んだ方、貴重な時間を浪費させてしまい申し訳ありませんでした!チーン。みなさんの周りにも、バルさんは何食わぬ顔でその猛威をふるっていることでしょう。鼻をさすようなニオイがしたならば、ほら、あなたのうしろに!

追伸としまして、バルさんが現れそうな場所を書いておきます。
百貨店、授業参観、運動会、初詣、年配者の団体旅行客っぽい集団。普段着ない服、一張羅の出番あたりが予測できる行事は基本的にバイオハザード、レベルMAXです。

それでは、ごきげんよう。

コメント / トラックバック23件

  1. おず より:

    自分がおばさんと呼ばれる年齢になったとき
    バルさんになりそうでこわいです。

    ちなみにバルさんの平均年齢は50歳くらいと睨んでおります。

    30年後スムルのライブで防虫剤臭が漂ってきたら、
    それは私かもしれません。
    あしからず。

  2. メガネ より:

    私はアレルギー性鼻炎なため年中鼻は詰まりがち…なので匂いに鈍感といえば鈍感。
    でも煙草の匂いと香水が苦手かなぁ。

    バルさんに苛立つ徳田さんを想像したら笑えました。
    駅のホームに降り立った時バルさんを発見して愕然とした徳田さんを想像してまた笑えました。

    今度は都こんぶをあげてみよー!

  3. スムルーストクダ より:

    おずさん:
    あれって年齢に関係あるの?女性の加齢臭?

  4. スムルーストクダ より:

    メガネさん:

    地元駅でバルさん見た時はキートン山田の声で「後半に続く」みたいなんが聞こえた気がしました。

  5. 茶子 より:

    都こんぶはどんな人が食するのかと思っていましたが、なるほど、徳田さんとバルさんが食すわけですね。
    バルさんはもはや季節の変わり目だけに出現するのではないのか。。。恐るべし!!
    出くわしましたら念仏でも唱えて危機を乗り切りたいと思います。

  6. みゆ より:

    今まで読ませて頂いてましたがやっとコメの仕方が分かりました(..;)

    なので初コメします!
    私もかなり匂いには敏感で主人の車の残り香で誰か知らない人が乗ったとか分かるレベルです♪

    主人はこれじゃあ浮気は出来ないなぁと言ってます(笑)

    なので私にもダメな匂い、好きな匂いがかなりありますがとにかく男の人の夏場の汗と納豆の匂いがダメです(ToT)

    なんか読んでたら「とこんぶ」食べたくなって来たので買ってこよっ♪

    最近コンビニに置いてないんですよねぇ…

  7. スムルーストクダ より:

    茶子さん:
    三蔵法師か!

  8. スムルーストクダ より:

    みゆさん:
    汗と納豆のニオイがダメな人は、タコライスも苦手とみた。

  9. ふぅすけ より:

    このコラムが呼び寄せたのでしょうか…
    今朝、バルさんに会いました
    徳田さんが会ったのとおなじ「防虫剤」のバルさんです。
    ほとんどの人が衣替えを完了してる(もしくは、ほとんどの人が衣替えを開始していない)この時期に!

    でも実は私、防虫剤(樟のう)の匂いが好きなので、バルさんと仲良くやっていけると思います

  10. おず より:

    私の統計によるとバルさんはたいてい50代です(偏見)。
    加齢臭というより、防虫剤と共に服を保管した年数の長さのせいだと踏んでおります。

  11. 里見 より:

    オチに笑いました。
    バルさん、いますよね。意外と近くに・・・
    私はお部屋の芳香剤が苦手です。
    姉には「部屋がくさい」と言われますが、
    恐らく自分の生活臭なので自覚はありません。
    これも謎ですね。

  12. ロココ+ より:

    フフフッ!!!!!

    私は『ゴンさん』もしくは『ピレパラさん』と呼んでいました(笑)

    ウチの母親も、ここぞの時に限ってあの異臭を放っているので、ファブリーズをダイレクトに吹き掛けて無かったことにしようとするのですが、怪人ピレパラはなかなか手強いのでビックリです。

    余談ですが遠足には『都こんぶ』
    スムルのライブに行く時の宮崎から福岡のバス旅行にも、『都こんぶ』は欠かせません!!!!!
    あの魔法の白い粉…大好きです。

  13. 越後ねこ より:

    「とこんぶ」ツボに入りました(^o^)
    バルさん、要注意ですね…
    前の方にも居ましたが、私も香水の匂いが苦手です、きついのが。
    高校の時の国語の若い男の先生「わかぞー」(あだ名)が香水臭かったです…
    一番前の席だったので、きつかったです(>_<)

  14. はな より:

    鮭の身が白身魚なのに赤いのは、アスタキサンチンという色素成分が多く含まれているからです。マスとかも一緒です。富士通とかが出していることで有名な、あのアンチエイジング成分です。
    因みにアスタキサンチンは甲殻類の赤い成分なのですが、鮭はオキアミなどを食べるので、その赤の成分が体内に蓄積されるんです。という雑学です。

  15. スムルーストクダ より:

    ふぅすけさん:
    やりますなあ。ニオイも価値観!むしろ好きな人奨励です。

  16. スムルーストクダ より:

    おずさん:
    あれは蓄積されたもんだったんですね。勉強になりました。

  17. スムルーストクダ より:

    里見さん:
    「家庭のニオイ」というやつですね。
    以前に友人の家で洗濯をしてもらうということがありましたが、すっかりその友人の家庭のニオイが染み込んでしまいました。不思議…。

  18. スムルーストクダ より:

    ロココ+さん:
    ゴンとかのほうが合ってるんですが、あの拡散されていくイメージでバルさんとしました。都こんぶの白い粉ってすごい発明ですよね。

  19. スムルーストクダ より:

    越後ねこさん:
    もし自分に世界を変える力があったら、ニオイは薄味の世界に変えたいです。ごはんとか果物とか本のインクのニオイとかは好きですが。

  20. スムルーストクダ より:

    はなさん:
    ということは、育て方によっては白身の鮭も可能ということなんですね!白くする意味ぜんぜんないけど…。

  21. 駒崎邑崎 より:

    素敵な内容で、大好きです

  22. kikusama より:

    バルさんは可愛い。

  23. シャネルバッグ より:

    素敵な内容で、大好きです

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