第18回「イコカは万能」

2011.10.28(FRI) UP

どーもみなさん。

さて、みなさんは、今、自分の財布にいくらお金があるかを把握してますか?
ボクは、かなりいい加減なものですから「そんなこたぁお札が複数くらいあればなんとでもなるやん」とばかりに能天気なものです。しかし、先日、ついにやってしまいました。
財布に100円しかない。
何がどうなったのかわかりませんが、小銭入れに100円玉がぽつねんと1枚転がっているだけなのです。1円玉も10円玉もありません。きっちり100円玉1枚だけ。
学生のときなどは貧乏すぎて「まだ100円もある」なんていう言い方をしたものですが、34歳のボクにはさすがに「100円しかない」でございました。
しかし、大人は余裕なものでして、「いけね、いけね」なんて一人で照れ笑いなんかしながらATMかコンビニを探すものです。しかし、ここで大きなミスをしてしまっていました。
まず、普段ボクは銀行のカードは持ち歩いておらず、郵便局のカードだけなのですが、これがいけない。郵便局は休日の夜、ATMではお取り扱いできないのです。
その日は日曜日でしたから、つまり、お金はおろせないというわけなのです。
そして、その状態でおろおろしている場所が、京都駅から北へ約10キロ離れたとても辺鄙な場所だったというわけです。

さて、ボクはその日のうちに大阪の我が家に帰らないといけません。しかも時計は22時ごろ。晩御飯も食べていませんから、いろいろ心細くなっております。

電車ならなんとかなる。なぜならば、ICOCA(イコカ:JR西日本のプリペードカード)があるからです。しかも、1万円くらいは入ってますからJR京都駅までいけば、ゴールです。
しかし、そこまではどうしようもない。
というわけで、即決であきらめて片道10キロの道をトボトボと歩いて帰ることにしました。
昔、知り合いの競艇好きのオッサンが、あり金全部使って負けてしまい、30キロ歩いて帰ったという変な武勇伝を聞かされたことがありましたが、状況は違えど似たような境遇です。しかもボクは勝負することなくただ敗北感に支配されているという稀有な状況です。
季節はすっかり秋の肌寒い夜長。
誰かに話だけでも聞いてもらおうかと携帯電話を見てみましたが、こういう時はそう、みなさま御察しの通りバッテリー表示が「LOW」になっております。音楽でも聴こうかとiPodを探しても、カバンにはイヤホンしか見当たらず(本体は家にありました)、こんな時は風情豊かな古都の星空でも眺めながら帰ろうじゃないかと空を見れば、曇ってただ暗黒がおおっているだけで、何にも楽しくありません。
空耳だと思えますが、喉自慢のあの「カーン」という残念な鐘がどこかで聞こえました。

唯一の救いは1万円チャージされているICOCAです。そもそもこのチャージが現金であれば言うことなかったのですが、それは言いっこなしです。なによりもコンビニではお金と同じになるわけですから、今のボクにはICOCAさまさま。

というわけで、やれ喉が渇いた、やれお腹が減ったと少しでも欲求がうずけばコンビニに
入って大盤振る舞い。
このICOCAには1万円ぶんありますねん。どんだけ使っても減るもんかい。
値段なんて見ずに手に取ったジュースやおにぎりを買うのでした。
結局千円も使わないままでしたが、ここまでICOCAの存在が心強かったのは初めてです。1万円くらいは常にチャージしておこうと心に決めました。

さて、さて、しかし、何時間も歩くとけっこう進むもので、気がつけば河原町のあたりまできてました。ここには阪急線がありまして、この電車使って帰ることもできます。もしも、現金があればの話ですが…。

京都駅までまだあと30分くらいは歩きます。
普段から歩くのは大丈夫なほうと言いつつも何時間も歩くとさすがに疲労感がありました。現金があればなんでもできる。現金がなければ元気もでません。今のボクは、何ともなく河原町駅に向かう人たちを指をくわえてみ見ているだけ。
なんとかならないものか。うむむ。
そして、ここに来て、恥ずかしながら誰もが最初に思いついたであろうアイデアが浮かび上がりました。

そう、ICOCAです。

そもそも100円しかないと知った時、近くに地下鉄烏丸線の北大路という駅が存在したのですが、ずいぶん前に「ICOCAは使えません」と言われたことがあったのでこのカードを使うという選択肢が頭にまったく浮かんでいませんでした。
しかし、この手のプリペードカードは現在だいたいの交通機関で使えるようになっているどころかコンビニでまで利用できます。ならば、使えるかどうか試してみればいいと、ボクの鈍臭すぎる頭がここで初めて動き出したわけですね。
で、あれば、善は急げ。さっそく駅に参りましょう。
地下への階段を降りるときには、もうこの先にこの何時間か見続けた夢の世界が広がっているようで、少し感動すらしました。たかが駅、されど駅。「駅いっぱいに夢だけが敷き詰められている思い」なんて誰もができる経験ではないでしょう。
改札の前に来ると駅員さんがいましたが、「ICOCA使えますか」なんて野暮な質問は夢を壊してしまうだけです。「私は阪急線でもICOCAざます」と言わんばかりのしれっとした態度で改札の「IC」のところにICOCAを乗せます。

ピッ

それを聞いて「わーっ」となりました。ボクの心の中にいる100万人の小さなボクたちが大歓声を上げています。

ゴール!ついに家に帰れます。
電車ってすばらしい。なぜなら座っているだけでほとんど家まで辿り着くからです。

しかし、ここにきて初めてあることに気がつきました。
もっとも最初の最初に気がつくべきことです。と、いいますか、きっとこの連載を読んでいるみなさんが、最初の最初に疑問に思ったことでしょう。
改札を通った後に駅員さんに聞いてみました。

「ICOCAって地下鉄烏丸線でも使えるんですか?」

答えはYES。
なんのことはありません。ICOCAに1万円もチャージがあるなら、最初の北大路駅からとっとと我が家まで帰れたのです。

この話に教訓はたくさんあるのでしょうが、一番大事なことはこれです。

ICOCAは万能。

それでは、ごきげんよう。

コメント / トラックバック5件

  1. 越後ねこ より:

    わわわ いっぱい歩きましたね!!
    お疲れ様でした!!

    そして素晴らしい教訓。
    私は東日本なので、

    スイカは万能!と肝に銘じておきます(^o^)

    100万人の小さな徳田さん、
    想像すると可愛いですね♪

  2. あーちゃん より:

    最初からずっと思ってましたw
    不思議な話だなー?とか思って読んで最後に納得しましたw
    気づいてなかったんですねw

  3. モモ より:

    私は、JR東海のTOICAと名古屋鉄道&地下鉄のmanacaを所持していますが、どっちに1万円ほうり込んでやろうか考え中。タクシーも使えるmanacaが優勢かな(^^)
    歩いて帰ろうとした徳田さんはエライっ!
    私も、小学4年生の時、親と歯医者で喧嘩して、家まで10キロ以上の道のりを怒り散らしながら帰ったこともありますし、中学の時のマラソン大会も女子で10キロでしたよ!
    10キロって妙な達成感がありました(^o^)

  4. ふぅすけ より:

    て、天然…(笑)
    ICカードの使用範囲が分かっていないって、芸能人っぽくてステキです

  5. ロココ+ より:

    フヘヘッ

    フヘヘヘヘヘヘッ♪

    100万人の…(((笑)))

    地下鉄すら走ってない田舎モンのアタシには、さっぱり分からないシステムですが、私もお財布に小学生低学年のおこずかいくらい…むしろ少ないくらいのお金しか入ってない!!!って事、よくありまして(笑)

    車での通勤ですが、ガソリンを買う事が出来ず『ガソリン足りるかな?』というヒヤヒヤドキドキの状態で家まで帰ったこともあります。

    こんな時に、鞄やポケットからひょっこり現れる小銭って、何だかとっても嬉しいですよね♪←私も十分過ぎるイイ大人なんですけどねf^_^;

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