第14回「バイトくんと呼ばれて」

2011.05.12(THU) UP

yomu014どーも、みなさん。
誰でも一度くらいはアルバイトの経験があるとは思います。
今までどんなバイトをしたことがあるかと聞くと、その人のイメージにはまったくそぐわない話が出てきたりして、会話が盛り上がったりするものです。
ショートケーキにイチゴを永遠乗せ続けるバイトとか、テレビゲームをするだけでいいバイトとか。
もちろん、ボクにも変わったバイト経験があります。
学生時代、京都のやきとり屋さんでバイトをしていたのですが、これがまたすごいお店でした。
ルールはたったひとつです。

おもしろかったら、すべてオーケー。

この条件しかありません。
まず、採用からして予想外でした。
バイトを探しているときに偶然見つけたお店の入り口に「バイト募集」の張り紙があったので、入り口を開けてみたのですが、「あのう、バイト募集って書いてあったので…」と切り出すボクに大将の答えは「いつ来れる?」でした。履歴書どころか名前も名乗っていないのですが、その日の夕方にはもうハッピを着て働くことになっていました。
その後5年くらい働くことになるのですが、最初がこんな感じですからボクは「バイトくん」と呼ばれ続け、今でもそう呼ばれることになります。
逆に大将も面白がって自分の名前を名乗らないので(名乗らないことに面白さを感じるセンスは謎です)1年くらい大将の名前を知らないまま働いていました。
基本的に「おもしろかったら、すべてオーケー」なんですが、おもしろい基準は大将のセンスなので大変です。
まず、大将は、ボクが太っていくことが楽しかったようで、バイト後のまかないのごはんの量が尋常ではありませんでした。
最初はどんぶりに山盛り(いわゆる「まんが盛り」というやつです)ご飯をついで笑っていたのですが、日に日に量が増え、器はどんぶりから業務用タッパーに変わり、友人が来た時などは10リットル寸胴鍋いっぱいに雑炊が出てきたりするようになりました。米1升(10合)でカレーを作ったこともあります。
大将は山盛り御飯を作ることが楽しいのかと思えば、どうやらそうではなく、それを泣きながら食べているボクや友人の姿を見ているのが楽しかったようです。
ケチケチしたところはいっさいなく、ボクの友人に山ほど食べさせて千円と無料とかになるので、みんな残せないわけです。
夜8時から4時間働いて、そのあと4時間かけてまかないを食べるみたいなこともよくありました。
おかげでボクはブクブク太り、体重80キロを超えてしまいました。
パンパンになったボクを見て大将は満足そうでしたが、これが大将の考え方です。
「ウチにバイトに来て痩せてもらっては困る」なんだそうです。

そんな感じですからタイムカードもありません。
いらなくなった領収書の背表紙の厚紙なんかをメモ帳にして、自己申告で言ったぶんでバイト代をくれます。そんなシステムだと不正行為で時間をごまかしたりしそうなものですが、不思議なものでかえって超真面目になるものです。
真面目に申告していたボクとは逆に大将はふざけるのが好きです。一度だけなのですが、バイト代の8万円くらいを全部100円玉でもらったことがあります。普通封筒でもらうものですが、なにかのガラスびんいっぱいに入った800枚の100円玉をかかえて持って帰ったのを思い出します。大将の言葉は「100円やとこんなもんか…10円にしたらよかった」です。
さらにシフトも決まっておらず、バイトの終わりに「明日来れる?」と大将が聞いてくる感じです。基本的に「来ても来んでもええで」というノリで聞いてきます。自分でもいつがバイトだったかわからなくなるので、当日「今日バイトでしたっけ?」と電話すると「どっちでもええよ」と、そんな具合です。
そういうお店ですから常連のお客さんも個性的でしたが、話すと長くなるので今回は割愛します。

とても面白いバイトでしたが、バンドもいそがしくなると、なかなか入れなくなります。そこでこのお店に馴染みそうな後輩2人を預けてボクは音楽に専念したのですが、とにかく、このお店がないと今のボクはありません。感謝でいっぱいです。
とかいいながら、なんだかんだであれから10年音信不通だったのですが、先日、久しぶりに大将と再会しました。
今は京都ではなく、横浜の桜木町にお店を構えています。
今回のツアーファイナルが横浜だったので、足を運んだわけですが、会ってすぐ「バイトくん辞める言うてないから、まだ籍があるで」と言ってました。
バンドのメンバーからスタッフ10人いたのですが、おとうしにタワシと塩が出てきたり、グレープフルーツまるまる1個入りのグレープフルーツサワーや、タバスコの2000倍辛いという赤い何か入りのロシアンルーレットやきとり、ビッグサイズすり鉢いっぱいに入った巨大親子丼にみんな驚いていました。
ちなみに飲み物以外は何も注文せずに次々出てきましたが、たらふく飲んで食って最後にお会計を言うと「チェックしてねえ!」と言われて全部無料になりました。
そして案の定、そこで働いているバイトくん(19歳)は見事にぽっちゃりしていました。
このお店、飲み放題500円なのもあって流行っています。
桜木町でそんなお店は他にないでしょうから、みなさん自力で見つけて行ってみてください。

それでは、ごきげんよう。

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コメント / トラックバック4件

  1. なお(‥) より:

    すごいお店ですねえ!
    そんなバイト先に
    巡り合いたかったです!(*^O^*)

  2. まみこ☆ より:

    素敵な大将ですねっ(^^)
    お店みつけたら、徳田君のツケで食べてきてもいいですか?(笑)

  3. あさぴ-ち より:

    太るバイト..女の子にしたら地獄ですね(´Д`)笑
    横浜にあるんですね!
    そんな楽しい大将とお通しがステキ(^ω^)
    今度探してみます\(^q^)/

  4. 匿名 より:

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